スタイリストとしてデビューして、毎日頑張っているのになかなかリピートにつながらない。
指名率も少なく、自分の顧客があまり増えない。
なにより年収が上がらない。
こうなってしまうと、将来的に不安を感じたり、努力の方向性を見失ってモチベーションが下がります。
実はアシスタントから、スタイリストになったときが一番モチベーションが下がりやすい。
理由は思っていたのと違うから。
私もそうでした。
スタイリストになるという目標を追いかけていた時は、その目標自体がモチベーションに。
目標って、達成すると次何やっていいか分からなくなるというか、方向性を見失ったりします。
「数字」という結果も求められるし、後輩にもその「数字」が見えてしまうのもなんかイヤ。
まあ、悩みは増えますが、解消する方法もシンプル。
収入、年収を上げればいい。
その第一歩が「リピート率を上げる」こと。
今回の記事はリピート率に悩み、さらに年収を上げたい美容師さんに向けた記事です。
当たり前のコトもたくさん書いていますが、飛ばしながら共感できることを実践してみて下さい。
Contents
リピート率を上げる方法は?
大きく分けるとリピートに必要なことは接客と技術の2つ。
やみくもに、リピート率を上げようと思うだけではダメ。
しっかりリピート率を上げる「要素」を知りましょう。
- カウンセリング力
- 技術力
- 戦略的来店予約
- クロージング
これがリピート率を上げる「要素」。
記事内では流れを分かりやすくするために、「接客要素」と「技術要素」に分けて解説しています。
「こんなのわかっているよ」という人も多いと思いますが、まずは「接客要素」から。
リピート率を上げる|カウンセリング
カウンセリングは大きく分けて3段階。
- プレカウンセリング
- オンカウンセリング
- アフターカウンセリング
プレ(施術前のカウンセリング)
オン(施術中のカウンセリング)
アフター(施術後のカウンセリング)
それぞれに抑えるポイントがあります。
忙しさやこちらの都合に関係なく仕事の一つとして丁寧に。
- プレカウンセリング
-
お客様とはじめて接触するカウンセリング。
このカウンセリングを2ステップにわけます。
STEPライティングカウンセリング。カウンセリングシートを使って質問に回答してもらう。
STEPヒアリングカウンセリング。カウンセリングシートをもとに深堀する。
STEP-1 カウンセリングシートに記入してもらう。
記入してもらうのに抵抗があったり、2度目のお客様ならヒアリングだけでも大丈夫ですが、相手が美容師とはいえ、初対面で悩みを聞かれて、本音で答えれる人がどれだけいるか。
ということも考えてみて下さい。
私たちがお客様の悩みや要望を把握するプレカウンセリング。
悩みを言いやすい環境をつくるのも美容師の仕事のひとつだと思います。
カウンセリングシートの作り方もコツがあります。
- すべて解答を選択式にする。
- 悩み・要望はできるだけ細かく。
- 来店された経緯。
- 以前のサロンでの良かった点と問題点。
❶選択式にすることで、記入しやすくなる。
❷悩みは髪やスタイルのことだけではなく、肌や頭皮トラブル、輪郭などのコンプレックスにいたるまで。
❸これを聞くことで美容師に何を求めているか把握できる。
❹何を気にする人かが把握できる。
STEP-2 ヒアリングカウンセリングで深堀。
ヒアリングカウンセリングで聞くことも決めておきます。
- カウンセリングシートの内容を深堀。
- 美容師への期待値の把握。
❶は、そのままの意味ですが、相手の感情の動き、テンションをよく読み取るようにしましょう。
❷相手の期待値は低・中・高の3つに分けることができます。
期待値の高さによってこちら側の対応を変える。
- 期待値・低(つれない感じの受け答えの人)
- お客様の悩みや気持ちを「理解」することが大切です。
期待値が低い人は過去に一度は期待を裏切られた経験やコンプレックスがあるはず。
そこの「理解」が必要。
- 期待値・中(普通に受け答えをする人)
- お客様に「共感」することが大切です。
「私もそうでした~」とか、「あのスタッフも同じ髪質なんですよ~」とか。
最終的に悩みを解消することで、「共感」していることが伝わります。
- 期待値・高(要望を多く話してくれる人)
- たくさんの質問がくるので、すべてに応えられる知識と技術が必要。
希望が叶うなら、お金に糸目をつけない人が多い。
少しだけ特別扱いして、自尊心を大切にしてあげる。(※媚びることはしない)
最終的に期待を超える仕上がりにすることで「特別感」が伝わります。
プレカウンセリングで一番やってはいけないことが「まとはずれの理解」。
美容師は、自分の予想や思い込みだけで、お客様を見てしまうことが多々あります。
それが、当たっていれば問題がありませんが…
数回会っただけ、もしくは初対面の人を理解するには経験値だけでは物足りない。
だから、手間と時間はかかりますが、カウンセリングシートが必要。
実際、リピート率が低い人の多くはこの「まとはずれ」のカウンセリングをしています。
お客様が「何をしてほしくて、何がしてほしくないのか」をしっかりと把握しましょう。
- オンカウンセリング
-
プレカウンセリングで知りえた悩みを解消している経過を伝える。
ある意味、技術の解説になりますが、専門用語をつかわずにできるだけシンプルに。
ここではあまり大げさな言い方はせず、仕上がりで確認してもらう。
- 時差をつくる。
- 極端な期待をさせない。
- プレカウンセリングで聞き出せなかった悩みをみつけ、解消する。
この3つのことを実践するだけで、お客様がもつ仕上がりの予想を超えます。
- アフターカウンセリング
-
- 実際に髪を触ってもらう。
- 悩みが解消していることを伝える。
- 要望を叶えているか確認する。
- 気になるところを具体的に改めて聞く。
- スタイリング剤でより精度をあげる。
ここまでの会話は当たり前に終えてしまいます。
ここからが大切。
スタイリング・ヘアケアの方法を説明しながら…- 髪の長さの変化
- パーマやカラーの変化
- 扱いやすさの変化
この3つを時間の経過とともに具体的に伝える。
例えば…3日目には扱いになれて、「楽にスタイリングできるのに、キレイ。」って感じると思います。ただ、3週間後に少しパサつきが見えてくるはず。
こんな風にはっきりと具体的な数字をあげて未来予想図を伝えておく。
この流れから、次回来店予約につなげます。
リピート率を上げる|戦略的来店予約
リピート率をあげるために、次回の来店予約をとりましょう。
というのは本当によく聞きますが…
お客様の満足度が高いこと。
つまり、施術がおわって、お客様が喜んでいなければ、ムリ。
これをクリアしているという前提で解説していきますね。
意識するのはアフターカウンセリングからつなげる予約。
後ろを見せて、クロス、もしくは肩掛けタオルを外し、お客様が座っている状態で話します。
前述しましたが、次回の予約で大切なことをもう少しだけ詳しく書くと、スタイルの変化や飽きを伝えること。
つまり、スタイルとお客様の心の変化を予測し、まるで占い師のように伝える。
「今回少し短めのスタイルにしたけど、最初は不安でしたよね。
でも、3週間後にはもっと短くしたくなってると思います。」
こういう予測をすると、次回来店の時期を指定しやすくなる。
お客様も指定されたほうがラクだったりします。
自己満足ではなく、お客様と同じ方向を見ることで次回予約につながります。
同時に確実に来店していただける継続的な戦略も必要です。
方法としてはDMかLINEを使った直接的な連絡。
これがとっても面倒。
時系列で解説します。
あつかいにくい等々、不具合がないかの連絡をする。
状態の変化を予測をもとに言い当て、来店日(予約日)の確認をする。
もし、3か月後も来店していなければ、ほぼ失客ですが、何か理由があるかもしれません。
大きなお世話かもしれませんが、気にかけてみて下さい。
残念ながら、サロンに来たことなんて簡単に忘れます。
マスクの影響もありますが、担当美容師の顔なんて、サッパリです。
つまり、この連絡をとる最大の目的は「思い出させる」。
忙しい人はこういうツールを使うのもアリ。
私は人とコミュニケーションをとるのが、あまり得意じゃありませんでした。(※美容師は意外と多い)
お客様と直接連絡とるのはほんとうに苦手。
美容師の仕事で唯一嫌いな仕事でしたが、頑張ってやってましたね。。。
リピート率を上げる|クロージング
クロージングはフロントで会計をする時にします。
紹介による新規を獲得するための大切なクロージング。
「最初にスタイリング褒めてくれた人だけ紹介してください。」とか。
スタイルや技術とは関係なく、お客様のための一言が言えたり、表現できる貴重な時間です。
ひとりごとくらいの小さい声で「めっちゃ似合う」と言ってみたり。
サロンを出たときに少しだけ手を振ってみたり。
お客様が笑顔で帰れるよう最後まで丁寧に。
今回の内容に付随するまとめ記事のリンクを貼っておくので、それも参考にして下さい。
次に「技術要素」。
リピートにつながる、おすすめのスキルを3つ紹介していきます。
ただ、残念ながら一つ一つのスキルを解説するのは無理があるので、概要と学びやすい本を紹介しています。
自分に合ったものを一つ選んで、努力の方向性を決めるのが、リピート率を上げる近道です。
「特化」したスキルってなに?…
他の人はあんまりできないけど、自分ならできるっていうスキルだよ。
ほう…
例えばブリーチした髪を縮毛矯正できるとか、一つだけ極端に得意になるってこと。
ほう…
オタクになれと…?
そうそう!
オタクになるくらいに一つのスキルを上げようってことー!
う~ん…
それでリピート率上がるの?
上がる!
だって、その人しかできないことなら、そこに行くしか選択肢ないからね。
リピート率を上げる秘訣は、お客様の選択肢をはっきりさせることなんだ。
なるほど!
自分と言えばこれ!
って言えるスキルを身に付けることで、ブランディングにもなるよ。
美容師のリピート率を上げる3つのスキル
今の時代はSNS戦略に長けていれば、新規客はそこそこ獲得できます。
しかし、そんな新規客のリピート率は平均で約15%。これが現実。
極端にいえば、自分に「特化」したスキルがないならSNSでの集客は無意味かも知れません。
これは、実際にInstagramを活用している人なら言っている意味が分かると思います。
統一性がなかったり、テーマがはっきりしていないアカウントを伸ばすのは難しい。
お客様もSNSを含め、多くのサロン情報が簡単に得られます。
お客様の求めるものがはっきりしているからこそ、店の名前や雰囲気だけで顧客が獲得できる時代ではないです。
シンプルに個の能力が問われると思った方がいい。
でも、どうやって「特化」したスキルを選べばよいの?
そんなに難しく考えないで。
自分が好きな技術ってあるでしょ?
ハイブリーチとか特殊なカラー、今だったらメンズパーマとか。
それを自分の「売り」にすれば、ずっとそのスキルを使って仕事できるよね。
あ、好きな技術なら練習も頑張れる!
そういうこと!
「好きな技術」=「自分の売り」=「特化したスキル」
本当はこれ1年目から決めておくといいんだよ!
美容師さんは毎日技術の練習を一生懸命やっています。
でも、それは美容師さんなら、きっとみんな同じ。
もう一歩踏み込んで上げるスキルを選んでいきましょう。
ちょっと前置きが長くなりました。
では、リピート率を上げて集客にもつながるスキルをみていきましょう。
酸性ストレートと弱酸性ストレート
サロンでも少し前からこのメニューが増えてきました。
髪をアルカリに傾けないで還元処理するという酸性ストレート。
そして、システアミンで還元する弱酸性ストレート。
シンプルにいえば、ハイダメージの人や、くせの弱めの人に向けたストレートと言われています。
しかし、残念ながらしっかりと理解している美容師さんが多くないのが現状です。
だからこそ、狙い撃ちできるスキルです。
これを極める。
これだけで、ブランディングでき、他の美容師さんと差別化できます。
しかも、薬剤知識が格段に上がります。
もし、サロンでメニューとしてあるのに生かし切れていないなら、先輩に頼らず、自分で勉強しましょう。
酸性関連の薬剤も数多くあります。
有名なところで言えば、「ULTEMA」とか。
私も使っています。
「ULTEMA」は初心者にも馴染みやすく、極めることもできる良品ですね。
最近話題に上がっているのは「METEO」。
酸熱トリートメントのデメリットともいえる匂いや繊細さが解消されていて、誰でも使える薬剤です。
銀座で美容師をされているカミカリスマの長門政和さんが開発されたことでも有名。
長門さんはケミカルの知識が非常に高く、とても分かりやすい動画も発信されているので、紹介しておきます。
カラーの施術でも、カラー剤に混ぜるだけで使える本当に優秀なトリートメントだと思います。
特殊カラー
とにかく、カラー関係は需要があります。
更にカットと連動させてデザインが決まるので、極めればリピート率を上げるとても有効なスキルになります。
ブランディングの中でも手を出しやすい技術ですが、やることは多いです。
しかし、大変なだけに美容師としての成長をずっと実感できるスキルでもあります。
ブリーチをするカラーの場合、やはりダメージや履歴(カラーだけでなく、矯正や熱系パーマの経験など)が気になります。
カウンセリングがとても大切です。
ブリーチが必要なカラー施術をする場合は、ブリーチ剤、カラー剤両方に「ケラフェクトコネクター」や、「METEO]を混ぜて使うのが必須だと思います。
価格的には高い処理剤(22,000円税込み/2022/11/26現在)ですが、リピート率を上げるにはこういうケアが大切です。
使った時のない人は是非使ってみてください。
ケラフェクト コネクター500ml
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そして、デザイン的にカラーとカットは切り離せないです。
ちなみに、カラーといえば色持ち問題がついて回りますよね。
ブリーチの後のオンカラーなんか特に。
あれって、髪の毛にアルカリだったり、カラー剤の余計な成分が残っていることが原因の一つです。
しかもそれが最大要因。
それを除去するトリートメントを紹介しておくので、もし知らない人がいたら必ず一度は使ってみてください。
カラー施術の後処理として使うことによってアルカリが抜け、しっかりと色が定着。
前述しましたが、こういうひと手間をかけることが、とても大切な差別化になります。
ちなみに、私の場合は特殊カラーに限らず、ほとんどのカラーの後処理に使っています。
ヘアアレンジとメンズスタイル
ヘアアレンジはなんとなくやれてしまいます。
それこそ、美容学生のほうが上手かったりします。
ある意味、アレンジでブランディングはできますが、差別化の難易度は高いです。
メンズスタイルもスタイリング自体は難しい技術ではないです。
今は美容師に限らず、一般の人も男性の場合は直感的にできます。
しかもスタイルの幅がレディースと比べて圧倒的に狭い。
アレンジと同様に他との差別化は難しく、個人のブランディングではなく、店のブランドに助けられているのが現状です。
しかし、どちらの技術も個人の感覚だけではなく、しっかりとした知識と裏付けがあれば、支持されます。
美容雑誌で発信しているスタイルは一般の人に広がるのが、約1年半~2年後と言われています。
ヘアアレンジもメンズスタイルも、ベーシックな知識と共にスタイルを先取りして感性を磨いていくことで他と差別化され、リピートに繋がるはずです。
使いやすいオイルも紹介しておきます。
アレンジに限らず、今あるスタイリング用オイルとしてダントツに使いやすいのがアローディアデンスオイル。
コスパも良く、美容師にも人気があるのがhoyuのNiNE。
細い髪、柔らかい髪にはライト。
太い髪、硬い髪にはリッチ。
この他にも「ヘアバーム」や「ヘアクリーム」の方が向いている人もいるので、おすすめできるヘアバームとヘアクリームの記事のリンクも載せておきます。
気になる人は見て下さい。
アレンジに限らず、メーカー問わずにスタイリング剤を使い分けできるようになることも大切です。
知識と引き出しを増やせば、自信をもってお客様にすすめられるようになると思います。
美容師|年収を上げる第一歩|リピート率を上げる!|まとめ
- カウンセリング力
- 技術力
- 戦略的来店予約
- クロージング
とても長くなりましたが、この記事では年収を上げるための第一歩、リピート率を上げる「接客」と「技術」に分けて解説しました。
まずは「接客」
当たり前のようなことかもしれませんが、できるだけ具体的にまとめました。
次に「技術」
リピート率を上げるために必要なことは「特化」したスキルをもつこと。
努力の方向性を決めて「特化」させる(極める)。
リピート率を上げるだけではなく、紹介という集客ができるスキルにもなります。
※テキストをタップすると記事内で移動できます。
それが「特化」させるべき自分の「売り」
自然に得意になり、極めたくなる。
自分の技術に自信が持てればそれだけで仕事は楽しくなる。
自分が楽しむことを忘れないことが大切かもしれません。
というような流れです。
自分の好きなことを思い出し、仕事を楽しむ。
どんな言葉を並べても、美容師は結局ここに行きつきますね。
最後に。
またお客様に来てもらいたいと思うまえに、この人の為に何ができるか考えることが大切です。
最初は自分にできること、引き出しを増やしていく。
そうすることで自然にリピート率が上がり、自己肯定感が増す。
自己肯定感がある美容師ほど年収、収入が上がります。
ただし、zeroカラーケアフォーム、デンスオイル、NINEオイルに関しては、一般の方にも人気のあるものなので、興味のある方は使ってみて下さいね。※テキストをタップすると記事内で移動します。
ちなみにデンスオイルだけは楽天やYahooの方が金額的に安くなっているようです。
今回の記事にあわせて「お客様を増やす」ということに関連した記事のURLを載せておきます。
そして、本当は美容師1年目から「特化」するスキルのことは考えていた方が良いので、美容師1年目の記事のURLも載せておきますね。
今回の記事はここまでになります。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
それでは、また。